私の旅好きはもしかしたら母親から受け継いだものかもしれません。若い頃はよく一人旅に行っていたそうで、京都のお寺で抹茶席を体験するために並んでいたら、受付の人に前に並んでいた男性とカップルと思われて抹茶をご馳走になってきた話。能登半島をヒッチハイクしながら旅していた時にパトカーが止まって乗せてもらった話。母とは何度か一緒に二人旅をしてきました。その中で忘れられないのが、二人でインドを回った15年ほど前の話。
個人旅行で訪れたインド。デリー、ジャイプール、アグラ、バラナシといった主要どころを鉄道や飛行機を使って移動しました。それぞれの都市では政府のツーリストインフォメーション主催の日帰りツアーに参加。インド国内、世界各国から集まってきた一期一会のメンバーで観光名所を回っていきます。
初めてツアーに参加したのはピンクシティと呼ばれるジャイプール。ジャイプールを調べると必ず出てくるシティパレスでは入場券が絵葉書になっていて、一度ガイドさんに回収されたものの後で皆さんにお渡ししますよ、とアナウンスがありました。綺麗な絵葉書嬉しいな、と思っていた時に目の端に入ってきたのはその絵葉書を二つ折りにする男性。絵葉書折っちゃうんだ、とその時は思ったのですが… ツアーが終わり、絵葉書が返された時に私の手元に戻ってきたのはきれいに折り目の入った絵葉書。あ!と思いかの男性を見ると手元には綺麗な絵葉書が。一瞬どうしようかと迷いましたが、次の瞬間にはその男性の元により、「絵葉書折っていたよね?よかったら交換してくれない?」と声をかけていました。一瞬戸惑いを見せた男性も、絵葉書を交換してくれ、そこから会話が生まれました。フランス人の男性は、パナマ出身の奥さんと新婚旅行でインドを旅しているとのこと。その奥さんとも世界をヒッチハイクで回った時に出会ったと。旅の話で一通り盛り上がり、フランスに来ることがあったら連絡してね、と名刺をもらい、ツアー解散と共にお別れしました。
アグラでも現地ツアーに参加。タージマハルやアーグラ城塞を巡り、ファテーブル・シークリーを訪れた時のことです。集合時間が近づき集合場所へ向かおうとしていた時に、見覚えのある顔が。ジャイプールで会ったフランス人・パナマ人カップルでした。おーい、と声をかけ、向こうも気がついてお互いに手を振り合って別れました。
ガンジス川を見てみたい。そんな思いから訪れたバラナシ。ホテルにお願いしていたお迎えが来ていなくて、タクシーを使って近くまで行くも、ここから先は車ではいけないから歩いて行ってと途中で下車。声をかけてきてくれた人に住所を見せると「知っているから連れてってあげる」と牛が寝そべる狭い通路を通り連れていかれた先は別のホテル。ここじゃない、とはっきりと伝えると正しいホテルまで連れて行ってくれました。バラナシでは早朝にボートで川に出てガードを見ようとと決めていました。さて翌朝、芋洗い状態のボート乗り場から少し離れたところまで進んだ時のことです。順調に進むボート。急にゴンっと他のボートにぶつかりました。大丈夫?と思いふりかえると…なんとそのボートの乗客はあのフランス人・パナマ人カップル!もうお互い声が出ないくらいお腹抱え笑い合い、それぞれのボートは離れていきました。
その後も交流が続いたこのカップル。同じ時期に子どもが生まれました。8ヶ月の息子を連れて二人でフランスへ2週間旅したときも、モナコやニース、エズの坂をお互いベビーカーをガタゴトさせながら登っていき、ご夫婦のお宅にホームステイさせてもらったのはとてもいい思い出です。って、あれ、一人旅ではなく二人旅の忘れられないエピソードになっちゃましたね。

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