忘れられない景色:今までに出会った心震える世界の瞬間

これまで30年に渡り30カ国ほど回って、これを自分の目で見たかったの!という景色を見てきました。でも改めて忘れられない景色は何かと思い起こしてみると… やっぱり人生2回目の海外旅行、大学の友達とサンフランシスコを旅した時に出会った景色に辿り着きます。

90年代後半、友達とサンフランシスコに行くことになりガイドブックを購入。どこへ行こうかとパラパラめくりながら眺めていて目に止まったのがカストロストリート・ウォーキングツアー。サンフランシスコのゲイ文化の中心地、カストロ地区をハーヴェイ・ミルクの足跡をたどりながら見て歩く、というもの。友達も誘ったけど断られたので、一人で行くことに。日本から国際電話をかけてツアーの申し込みをしたのも懐かしい思い出です。

当日は世界各地から集まった15人前後のグループでカストロ地区を散策。ヘイト・アシュベリー地区も周りサンフランシスコの多様性とその自由さに感嘆しっぱなしでした。最後は地元のカフェでみんなでランチを食べながらツアーの感想などをそれぞれ発表していた、その時のことです。カナダから参加していた男性が立ち上がり、「初めてここでカミングアウトします。僕はゲイです」と言いました。今でこそLGBTQ+という言葉が浸透していますが、当時はアメリカでもまだまだマイノリティ感が強かったですし、日本だと露骨に拒否反応を示す人も。そんな中、相当な勇気を持って告白した彼を待っていたのはツアー参加者全員からの、そしてお店に居合わせた他のお客さんからの拍手の嵐。初めて自分が自分であることを告白して受けいられた男性の表情。世界が優しさに溢れれば、と強く感じた忘れられない瞬間でした。

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